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7.個人情報保護の法制的発展は、どのような基本路線に添って進められるべきか。
情報公開・個人情報保護制度の確立と実践的普及は、政府に対する市民的自由の拡大を飛躍的に増大させ、民主主義の徹底を新たな次元で促す重要なモメントとなる可能性がある。ところが、日本では、市民的自由の自覚が乏しい社会的現実のなかで、両制度の生成・普及過程が政府・政治家によって逆に利用され、欧米とは反対に、両制度が結果的に、権威的政府の出現とその権力のいっそうの強大化を許す制度的根拠となされるおそれが生じている。政府・個人情報保護検討部会の中間報告は、まさにそうした「日本的歪み」を体現するものとして立ち現れている。これに対して、望ましい基本法的枠組みを原理的にどのように考え、対置していくべきであろうか。つぎのような柱が考えられる。
・行政機関、一般民間機関、報道機関を包括して同一法の規制対象とすることに断固として反対する。法の適用主要対象は行政の情報保有・利用領域であることを明確にし、つぎに、行政と情報流通上の接合がある民間部門や、行政の監督下に置かれる公共・公益事業に携わる民間部門を特定、規制対象に加えることを明らかにする。また、その他の民間機関が、以上の規制対象領域に含まれる機関が有するのと同一の個人情報ファイルをもつ場合は、それらの事業実態・特性とファイル項目とを勘案、生じ得る問題ごとに別個に具体的に保護基準を定める。
・以上の基本枠組みから、報道機関はいっさい除外する。規制の包括的枠組みにあらかじめ加えておき、法の実施過程で個別の事項・行為ごとに適用除外とする、というような扱いにはしない。それは実質的に検閲の意味を伴い、政府の報道機関に対する介入の余地を拡大、憲法21条に違反するか、同条に基づく言論・表現の自由の幅を狭める危険をもたらすおそれがあるからである。
・情報公開法と個人情報・プライバシー保護法との一体性を重視し、結果的に、自己情報コントロール権の確立・普及、情報公開と情報流通の自由の拡大、国際的な情報の自由な流れへの適合、などが追求可能となるシステムの構築を図る。とりあえずは、情報公開新法との対応関係を考慮しつつ、1988年・個人情報保護法の改善・改革から着手すべきである。
・新しい個人情報・プライバシー保護制度にあっては、法の各条項の書き方は、政府の有権解釈に委ねられるようなものであってはならない。法は第一に、行政情報の保有・運用過程における政府の個人情報・プライバシーの保護に関する履行義務を問題とするのであるから、法は、政府が守らなければいけない義務、債務を明解に定めるのを基本とする。曖昧な部分について政府の有権解釈を許し、裁量行政がはびこる余地を生じせしめるようなものであってはならない。政府の責任や法によって委任された権限について疑問が生じたときは、第三者的な監査機関の監督や判定を仰ぐこととし、政府が法の定める枠から勝手に逸脱することを防止する。
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