経営情報科学Vol.7No.3(1995.2)pp.199-205

商品先物市場における商品別セグメント情報の活用について
〜シカゴ市場と東アジア市場の動向比較を中心にして〜


武井敦夫


[抄録]

 リアルタイムで変化する現代の経済環境において、世界の商品取引も時間を越え、国境を越えてグローバルに行われている。ところが商品取引には取引上のリスクが存在するため、今日のように取引が重要な時代にはリスクをヘッジする必要性が高まり、商品先物市場を利用する方法が重視される。そして、商品先物市場における財務情報の重要性も高まっている。
 これまで先物取引に関する財務情報は、投資家保護の視点から財務会計的に研究されてきたが、これと並んで重要なものとして、商品ファンドなどにおける収益性や安全性を考察するための財務情報が考えられる。商品先物市場においては、枚数データや価格データが取引情報の中心になるが、これらは詳細には商品別に集計される。そして商品別の情報を合成することによって、例えば商品ファンド別の収益性が算定されることになる。この場合に重要なこととして、顧客である投資家に分かりやすく、ある程度詳細化された適切な財務情報を提供することがある。つまり提供する情報のバランスが重要である。
 こうした商品別セグメント財務情報について、シカゴ市場と東アジア市場における動向を比較してみると、前者では情報競争に関連して、加工度の高い財務情報が充実しているのに対して、後者は市場自体が成長段階にあり、財務情報についても具体的な商品別の情報が重視され、これから充実を図る段階である。後者においてもやがて前者のように充実の方向へ向かうものと思われる。

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